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当社は、これまでの豊富な取り扱い経験を基に、さまざまな肥料に関する専門的な情報を集約いたしました。
長年にわたり培った知見をもとに、皆様にお役立ていただける内容を提供しております。ご一読いただければ、新たな視点や発見が得られることと存じます。

ゴルフ場専用肥料

ゴルフ場の芝生が高価のもので、生育に必要な養分量はほかの農作物と異なり、特殊なケースである。また、ゴルファーがプレー時に支障が出ないため、施用される肥料はグリーンでは粒径1mm前後の微粒品、フェアウェーには2mm前後の細粒品が好まれる。通常、ゴルフ場では固形肥料の施用時期は梅雨前の1回と秋の1回で計2回しかなく、夏季にはもっぱら液体肥料の出番である。従って、低温乾燥または高温多湿等の劣悪環境下での耐酷使性を満たすために、ゴルフ場肥料は、散布しやすく、肥効が長く、低温期でも肥効が早く出て、窒素、りん酸、加里の三大要素のほか中量元素(石灰、苦土、硫黄)と微量元素を有し、芝の発芽促進、根部伸長、耐踏圧性などの生育促進効果が要求される。

ゴルフ場専用肥料はほとんど化成肥料を使用する。その要求を満たすために、採用される原料の種類と配合比率などが汎用の化成肥料と異なるところが多い。当社はゴルフ場専用肥料3種類をOEM製造・輸入している。

 

1.ファイングリーンV

ファイングリーンVは芝生育に必要な養分をバランスよく供給するために専門的に設計された緩効性窒素入りのゴルフ場専用肥料である。養分含有量は窒素18%、りん酸3%、加里18%、苦土2%である。外観では灰白色の無臭球形粒子で、粒径0.61.5mmの微粒品はグリーン用で、粒径1.53.0mmの細粒品はフェアウェー用である。

 その特徴は

  1. 窒素成分に緩効性のホルム窒素(UF)を約45%含有しているので、おだやかな肥料効果が長く持続する。
  2. 色は白色に近いので、芝に撒いた後、目立たないため、芝の美観を損なわず、ゴルファーのプレーに影響を全く感じさせない。
  3. 加里は硫酸カリウムを使用し、芝に最適な加里と硫黄養分を与える。
  4. りん酸成分を低く抑えているので、りん酸が過剰に蓄積された土壌には最適である。
  5. 即効性の窒素養分を抑えたので、肥料焼けが生じることがなく、葉色をやや濃く演出し、施肥による芝のストレスも少ないため、芝の耐病性を向上させる。

 

2.ファイングリーン1号

ファイングリーン1号は芝生育に必要な養分をバランスよく供給するために専門的に設計された緩効性窒素入りのゴルフ場専用肥料である。養分含有量は窒素10%、りん酸10%、加里10%、苦土2%である。ほかに石灰11%、硫黄6%、可溶性ケイ酸2.4%、鉄0.5%を含有する。外観では灰白色の無臭球形粒子で、粒径0.61.5mmの微粒品はグリーン用で、粒径1.53.0mmの細粒品はフェアウェー用である。

 その特徴は

  1. 緩効性のホルム窒素(UF)が入って、窒素成分中の緩効性成分は微粒品では70%、細粒品では30%である。おだやかな肥料効果が長く持続する。
  2. 色は白色に近いので、芝に撒いた後、目立たないため、芝の美観を損なわず、ゴルファーのプレーに影響を全く感じさせない。
  3. 加里は硫酸カリウムを使用し、芝に最適な加里と硫黄養分を与える。
  4. 即効性の窒素養分を抑えたので、肥料焼けが生じることがなく、葉色をやや淡く演出し、施肥による芝のストレスも少ないため、芝の耐病性を向上させる。

 

3.ファイングリーン3号

ファイングリーン3号はフェアウェーの芝生育に必要な養分をバランスよく供給するために専門的に設計された緩効性のホルム窒素(UF)と有機入りのゴルフ場専用肥料である。養分含有量は窒素8%、りん酸8%、加里8%、苦土2%である。ほかに石灰9%、硫黄4%、可溶性ケイ酸4%、鉄0.5%を有する。腐植酸を添加することで、外観では黒色の無臭球形粒子で、フェアウェー用のため、粒径1.53.0mmの細粒品である。

 その特徴は

  1. 緩効性のホルム窒素(UF)が入って、窒素成分中の緩効性成分は30%を占めている。植物粕(大豆粕とナタネ粕)も20%入って、無機と有機のバランスがよく、施肥後速やかに肥効が現れ、おだやかな肥料効果が長く持続する。
  2. 植物粕と腐植酸を添加しているので、芝に施用した後、粒子が水に接触して容易に崩壊したため、芝の美観を損なわず、ゴルファーのプレーに影響を全く感じさせない。
  3. 腐植酸を添加することにより、りん酸の土壌への吸着固定現象を抑制する。
  4. 加里は硫酸カリウムを使用し、芝に最適な加里と硫黄養分を与える。
  5. 即効性の窒素養分を抑えたので、肥料焼けが生じることがなく、葉色をやや淡く演出し、施肥による芝のストレスも少ないため、芝の耐病性を向上させる。

 

4.用途

上記の3種類ゴルフ場専用肥料は、芝の養分供給に使うものである。1回あたりの適切な施用量はグリーンでは2025gm2、フェアウェーでは2030gm2で、季節、芝種類、生育状態に合わせて適宜に調整する。

 

5.施用後土壌中の挙動

施用後、肥料粒子中の水溶性窒素、りん酸と加里は土壌溶液に溶けて、養分を溶出して、粒子周辺に飽和土壌溶液のクラスターを形成する。その後各養分が濃度勾配によりゆっくり周辺の土壌溶液へ拡散して、作物の吸収に供する。

緩効性成分のホルム窒素は土壌微生物の分解を受け、尿素に分解されてからアンモニア態窒素 → 硝酸態窒素に変化し、芝に吸収利用される。植物粕は土壌微生物の分解を受け、無機化して、養分を放出し、芝に吸収利用される。

速効性の肥料で、施用後35日に肥料効果が見られる。また、緩効性窒素が入っているため、窒素の肥料効果が4560日以上も続く。

6.施用上の注意事項

ゴルフ場専用肥料は施用する場合の注意事項が下記の通りである。

  1. ほかの肥料または農薬を一緒に施用しない
    ほかの肥料または農薬(殺菌剤、殺虫剤など)を一緒に施用する場合は、過剰施用のほか、肥料間の反応や農薬との反応で肥料焼けまたは薬害が発生する恐れがある。施用後57日の間隔を空けてから次の肥料または農薬を施用する。
  2. 過剰施用しない
    芝の需要を超えた施用量は、無駄になるばかりではなく、肥料焼けを引き起す可能性もある。また、吸収しきれない余剰の養分が流失して、地表水と地下水の汚染源となる。