土壌改良材
土壌改良資材とは、土壌に施用し、土壌の物理的性質(物理性)、化学的性質(化学性)または生物的性質(生物性)に変化をもたらして、農業生産に役立たせる資材をいう。一般的に広く言われている土壌改良材の中には、「肥料の品質の確保等に関する法律」で肥料に該当するものや、「地力増進法」で指定されたものばかりでなく、そのいずれにも該当しないものも含まれる。
農耕社会にとって土壌は農業生産の基盤となり、土壌の良し悪しは農作物の生育と収量を支配して、人類生存の基礎となっている。古代文明はすべて肥沃の土壌と豊富な淡水資源を元に成り立ち、その衰退も人口膨張で森林の伐採や過度の放牧などによる土壌侵食が進み、貧弱となり、生態系が破壊され、食糧供給不足で、戦争や内乱が起きたものが主な要因である。
現代に入っても、農業生産技術の進歩で土壌を使用しない養液栽培や植物工場の技術が実用できるようになったが、生産コストと農作物種類により、農業生産にとって土壌が依然欠かせないものである。
土壌は陸上生態系の土台をなし、食糧生産を支えている。土壌改良を通して、農作物が必要とする養分や水分をバランス良く十分に供給できるような能力、いわゆる「地力」を高め、土壌の農作物生産能力を維持していくことが非常に重要である。本邦農業関係者が提唱している「土づくり」はそこに意味がある。
「土づくり」は大雑把に言えば、土壌の物理性、化学性と生物性の改善に尽きる。土壌改良資材は「土づくり」に重要な役割を果たしている。
本邦の地力増進法に於いて、12種目の資材が指定され、「政令指定土壌改良資材」と呼ばれる。表1は政令指定土壌改良資材の種類と主な用途を示す。
表1. 政令指定土壌改良資材の種類と主な用途
土壌改良資材の種類 |
用途(主たる効果) |
泥炭(ピート) |
|
有機物中の腐植酸含有率70%未満 |
土壌の膨軟化、土壌の保水性の改善 |
有機物中の腐植酸含有率70%以上 |
土壌の保肥力の改善 |
バーク堆肥 |
土壌の膨軟化 |
腐植酸質資材 |
土壌の保肥力の改善 |
木炭 |
土壌の透水性の改善 |
けいそう土焼成粒 |
土壌の透水性の改善 |
ゼオライト |
土壌の保肥力の改善 |
バーミキュライト |
土壌の透水性の改善 |
パーライト |
土壌の保水性の改善 |
ベントナイト |
水田の漏水防止 |
VA菌根菌資材 |
土壌のりん酸供給能改善 |
ポリエチレンイミン系資材 |
土壌の団粒形成促進 |
ポリビニルアルコール系資材 |
土壌の団粒形成促進 |
政令指定土壌改良資材以外にも、石灰質肥料、堆肥など肥料の品質の確保等に関する法律に該当する肥料や緑肥作物などの栽培も土壌の物理性、化学性と生物性の改善に顕著な効果を表している。
弊社では、土壌改良資材として、天然腐植酸とニトロ腐植酸を取り扱っている。